人はなぜ騙されるのか考えてみた

やってしまった……と思った時には時すでに遅し……

今回は私が知人から聞いた「詐欺の被害に遭いかけた」話です。

今回は未遂で済んだものの、なんで騙されかけたんだろう、と考えるきっかけにもなったので、

なぜ人は騙されるのかについて、思ったことを書き連ねていきます。

これまでも詐欺に遭遇することはあった

「時すでに遅し」と書きましたが、「被害に遭いかけた」ので、正確には未遂で終わりました。

しかし、一瞬でも確実に騙されてしまったことは事実です。

詐欺被害、よくニュースとかワイドショーとかで取り上げられますが、多いですよね。

実際、私もこれまでに詐欺らしきものに何度か遭遇してきました。

そのほとんどがメール、ネット系です。

よく知らないアドレスから突然メールが届いて「あなたにこの請求が届いているはずだけど、払ってないから今すぐ払わないと大変なことになりますよ」とか、あとは知人のアカウントを乗っ取ったSNSから「コンビニでプリペイドカードを買って来てほしい」と頼まれるとか……

母のところに詐欺のハガキが届いたという話も聞きました。

でも、どれもこれも一発で「詐欺だ」と見破り、鼻で笑っていました。 こんな手口、バレバレだし、誰が騙されるんだよ、くらいにしか思っていませんでした。

次は実際に聞いた話をベースに書いていきます。

屋根塗装詐欺の全貌!危なかった……

それはのどかな昼下がりでした。

ピンポーン

「お? 宅配かな?」

ちょうど宅配の予定があった私はインターホンに出ました。

すると

「すみません、工事の挨拶で……」

という野太い男性の声が。

「はあ、出た方がいいですか?」

工事の挨拶、時々本物が来ることがありますが、ほとんどがインターホン越しで終わるので、確認しました。

「はい、ご説明もあるので」

と言われたので、玄関に出た私。

「どこそこでいついつ工事をするから車両の移動などでご迷惑をおかけします」

という、ごくごく普通のご挨拶がありました。

「ところで、今あの道を歩いて来た時に気付いたんですけど、屋根の板金が浮いちゃってるのってお気づきですか?」

工事の挨拶で来たお兄さんはそう続けました。

え!?

完全に寝耳に水でした。

「いや、知らないです!」

勢いよくそう答えてしまった私。

「ああ~そうなんすね。板金っていうのは~」

と、なにやら専門用語を使って説明してくれるお兄さん。

そして……

「工事でご迷惑かけちゃうんで、良かったらちょっと釘売って直しますよ、無料で」

と提案してきました。

タダより高いものはないはずなのですが、私はここで騙されてしまったわけです。

「なんて親切なお兄さん!!」と感激し、言ってしまったんです……

「お願いします」と。

お兄さんは梯子かけて屋根に上り、何やらカンカン。

そして、屋根の寸法などをはかったりして、おりてきました。

「今応急処置的に浮いちゃった板金を留めたんですが、これは放っておくとマズイですね~。ちなみに、この家って築何年くらいですか?」

「築……4年半とかだったかな」

我が家はまだ建ってからそんなに経っていなかったので、屋根の保証って確か10年だったよな。ハウスメーカーさんに聞いてみよ……そう考えながらお兄さんに答えました。

すると、お兄さんは明らかにトーンダウンしてしまったのです。

「そうっすか。それなら保証期間内だから、ハウスメーカーさんとかに聞いてみた方が良いかもですね。あ、ちなみに、もしうちの会社で塗装とか補強とかご依頼いただければこんな感じでやらせていただいてるんで……」

そう言って見積書を置いていきました。

その額、なんと70万!!!

そして、家に入って「屋根 詐欺」とか「屋根 板金剥がれてる 詐欺」とか「屋根 親方」とか、そんな言葉で検索したら……

やまほどの注意喚起の情報が!

ネットの注意喚起記事の詐欺の手口、そのまんまでした。

違いがあるとしたら

道を歩いていたら屋根の板金が剥がれていることに気付いた

(よくある手口は「坂の上から見たら」とか「ちょっと離れた家の屋根工事中に見たら」とかだそうです)

ハウスメーカーさんに問い合わせてみてくださいとトーンダウン

(これも、築10年以上経っているとゴリ押ししてくるそうです)

くらいでした。

いや、あぶない、あぶない。

念のためハウスメーカーさんに問い合わせてみたら「人為的に壊されてるかもしれないから見てみます」といってすっ飛んできてくれました。

結果は、問題無しで、心から安心しました。


なぜ人はだまされるのか

いかがだったでしょうか?

警戒心の強い人間でも、一瞬のスキを見逃さず、詐欺師は巧妙に私たちを騙しにかかります。

ここからは「なぜ人はだまされるのか?」について考えていきたいと思います。

不安をあおられる

今回のケースは「屋根が壊れている」という不安ですね。

自分ではよく見えず、専門知識もないことを指摘され、屋根が壊れたら雨漏りするかも。家がダメになるかも。こんな不安に襲われます。

理由のある親切

今回、ケースでは突然ピンポンされて「屋根の板金が剥がれかけてるんでタダで直します」と言われたら、

おそらく皆「アヤシイ……」と思ったことでしょう。

ですが今回のケースでは「工事で迷惑をかけるから、無料で応急処置します」という一見善意に聞こえる言葉、

人は納得できる理由を上げられると、コロッと騙されてしまうのかもしれません。

(嘘でも)ちゃんとしたステータスを提示される

今回のケースでは、名刺を受け取っていたそうです。私も見せてもらいましたが、住所も電話番号もメールアドレスも全部きっちり書かれているものでした。会社名で調べてみたら、実在する屋根塗装や外構工事の会社がヒットしました。

しかし、よく見ると住所と電話番号が違う……

おそらく嘘だったのでしょう。嘘であっても、こういったステータスを見せられると私でもうっかり信じそうになります。

きっと専門的に突き詰めていけば、もっと根拠のある騙される心理とか騙される理由とかが分かるのだと思いますが、私は専門家でもないので自身でただ考えただけです。ですがこれだけの要因を考えることができました。

詐欺師は”納得”させにくる!!

詐欺の手口や、実際あった詐欺事件などを聞くと「いや自分は絶対大丈夫!」と思いますよね?

「なんで気付かなかったんだろう」とか、「こんなことで騙されるなんてバカだなぁ」とか、そんな風にバカにしてしまいそうにすらなります。

詐欺師は騙す相手を「納得させようとする」手法を巧妙に使ってくるということが分かりました。

理由や根拠を、それらしく先回りしてベラベラ喋り、「そういうことなら」とか「なるほどね」とか、そんな風に思わせる。それが詐欺の所業です。

そして「納得」してしまったら最後、コロッと騙されてしまいます。

騙されないためには、とにかく「まず疑うこと」が大事なんだな、と痛感しました。 もし、同じような目に遭い、危ないかも、おかしいかも、と思ったら、とにかく疑って、自分で調べずに納得することなどないよう、気を付けてくださいね。

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