Synology NASは高い性能と多彩な機能が魅力のネットワーク接続ストレージですが、その活用法はまだ広く知られていないかもしれません。そこで今回は、Synology NASの便利な機能とアプリを紹介し、家庭やビジネスシーンでいかに活用できるかについてご紹介します。音楽や写真の管理、リモートアクセスでのファイル共有など、幅広くカバーしていますので、ぜひSynology NASの魅力を見つけてください。
1. Synology NASの便利な機能とアプリ
Synology NASはさまざまな便利な機能とアプリケーションを備えています。以下では、主要な機能とアプリについて説明します。
Synologyの機能集約アプリ: ◯◯Station
Synology NASでは、さまざまな機能が「◯◯Station」というアプリで統合されています。このアプリを使用することで、さまざまな便利な機能を一つの場所で利用できます。また、ブラウザ上でもアクセス可能なため、いつでもどこからでも利用することができます。
スマートフォン・タブレット用のアプリ: DS◯◯
「DS◯◯」というアプリは、スマートフォンやタブレットからSynology NASにアクセスするためのアプリです。このアプリを使用することで、いつでもどこからでもNASの機能を利用できます。
音楽の管理と再生: Audio Station & DS Audio
「Audio Station」と「DS Audio」は音楽の管理と再生を行うためのアプリです。このアプリは、iOSやAndroidで使用できるため、スマートフォンに依存せずに音楽再生環境を構築できます。お気に入りのアプリとして利用されることが多く、使用頻度が高いとされています。
写真の管理と共有: Photo Station & DS Photo
「Photo Station」と「DS Photo」は写真の管理と共有を行うためのアプリです。これらのアプリを使用すると、ディレクトリベースの写真管理が可能となります。保存した写真の閲覧、タグ付け、レイティング、共有なども簡単に行うことができます。ただし、一部の利用者からは動作がもたつくとの声もあります。
メモアプリ: Note Station & DS Note
「Note Station」と「DS Note」はメモ書きやToDoリストの管理を行うためのアプリです。これらのアプリは高機能であり、タグによる管理やWebのクリッピングなども可能です。ただし、マークダウンには未対応です。
ファイル管理: DS File
「DS File」はNAS内のファイルを閲覧したりアップロードしたりするためのアプリです。このアプリを使用すると、ファイルの管理をスムーズに行うことができます。
NASの状況確認: DS Finder
「DS Finder」はNASの状況を確認するためのアプリです。現在のNASの状態や設定を確認することができます。
以上がSynology NASの主な機能とアプリの紹介です。他にもさまざまな便利なアプリが存在するため、自分のニーズに合わせて活用することができます。
2. 写真管理『Photo Station』と『DS Photo』の使い方
SynologyのNASには、写真の管理や共有に便利なアプリが提供されています。その中でも主要なアプリとして、『Photo Station』と『DS Photo』があります。以下では、それぞれのアプリの使い方について詳しく説明していきます。
2.1 写真管理アプリ『Photo Station』
『Photo Station』は、PCで使用することができる写真管理アプリです。このアプリの主な機能や使い方は以下の通りです。
- 写真の表示と整理: NAS内の写真データを『Photo Station』で簡単に表示することができ、階層管理や整理も行えます。
- 表示のカスタマイズ: サムネイルの大きさやタイムライン表示、マップ表示など、表示方法を自由に変更できます。
- 写真の確認: 選択した写真は、大画面表示され、メタデータも確認することができます。
- GPS情報の表示: 写真にGPS情報がある場合は、Googleマップで撮影位置を確認できます。
- スムーズなアップロード: PC専用ソフト「Photo Station Uploader」を使用すれば、大量の写真をスムーズにアップロードすることができます。
また、『Photo Station』では、写真の共有も簡単に行うことができます。共有設定の手順は以下の通りです。
- 共有したい写真を選択し、「公開して共有」ボタンをクリックします。
- 共有写真の有効期限やパスワード保護などの設定を行います。
- 共有用のURLが生成されます。
- 共有相手は、専用アプリを必要とせずにブラウザから写真を閲覧・保存することができます。また、PCからなら写真をZIP形式で一括ダウンロードも可能です。
2.2 スマホアプリ『DS Photo』
『DS Photo』は、スマートフォンで使用することができる写真管理アプリです。以下の手順で使用することができます。
- スマホアプリ『DS Photo』をインストールします。
- NAS内の写真を『DS Photo』で簡単に閲覧することができます。ディレクトリベースの写真管理なので、全ての写真の閲覧、タグ付け、レイティング、共有などが簡単に行えます。
- 外出先でもネットワーク接続があれば、写真の閲覧は可能です。
- 個別の写真やアルバムを共有する際も、簡単に設定することができます。
『DS Photo』は使い勝手が良く、写真の閲覧・管理が簡単に行えるアプリです。ただし、写真の取り込みにはネットワーク接続が必要であり、動作がもたつくこともあるため、注意が必要です。
以上が『Photo Station』と『DS Photo』の使い方の詳細な説明です。これらのアプリを活用して、SynologyのNASを使った写真の管理・共有をスムーズに行いましょう。
3. リモートアクセスでのファイル共有
NASを使用することで、遠隔地からでもファイルの共有が可能になります。これにより、テレワークや出張先での業務にも対応できます。
3-1. セキュアなファイル共有を実現するアクセス制限機能
NASを利用すれば、各部署や個人ごとにアクセス制限をかけることができます。アクセス制限は、フォルダやファイルへのアクセス権限を管理する機能です。
たとえば、社長の共有フォルダを役員クラスまでの人にしかアクセスできないように設定することができます。これにより、社内の情報共有をセキュアに行うことができます。
以下は、アクセス制限が可能な一部のNASメーカーです。
- QNAP（キューナップ）
- Synology（シノロジー）
- LANDISK（ランディスク）
- LinkStation（リンクステーション）
- TeraStation（テラステーション）
それぞれのメーカーには設定方法やアクセス制限の範囲、ユーザー数などに違いがありますので、購入前に詳細を確認することをおすすめします。
3-2. NASとクラウドの組み合わせで自社クラウドを構築しよう！
通常のクラウドストレージサービスは、データを提供会社のサーバーに保存しますので、企業のセキュリティポリシーによっては社外へのデータ保存が制限される場合があります。しかし、NASを使用して社外からもアクセスできるように設定することで、自社クラウドを構築することができます。
自社クラウドを利用することのメリットは以下の通りです。
時間と場所に制約なくアクセス可能
インターネットに接続できる環境があれば、時間や場所に制約なく社内外からファイルにアクセスすることができます。リアルタイムでの情報共有が可能となり、業務の効率化が図れます。
簡単なファイル共有
NASにファイルを保存することで、簡単にファイルを共有することができます。複数人で同時にファイルを共有できるため、作業効率の向上が期待できます。
クラウド契約不要でランニングコストも削減
自社クラウドの利用には、外部のクラウドサービスとは異なり、契約手続きや月額利用料が不要です。また、大容量ファイルの保存や共有もスムーズに行えるため、生産性の向上が期待できます。
以上のように、NASを活用することでリモートアクセスによるファイル共有が可能となります。テレワークや出張先でも業務に対応できるため、効率的な業務運営を実現するツールとしてぜひ活用してみてください。
4. ビジネスシーンでのNAS活用術
ビジネスシーンでNASを活用することは、単なるデータの保存や共有にとどまりません。最新のNASには様々な便利な機能が備わっており、業務の効率化やセキュリティの向上にも役立つことがあります。以下では、NASをビジネスシーンで活用するためのいくつかの方法と機能を紹介します。
バックアップ機能
NASを使用してデータを保存する際には、バックアップを行うことが非常に重要です。万が一のデータの消失や破損に備えるため、定期的にバックアップを取ることをおすすめします。NASに搭載されているバックアップ機能を利用すれば、手動でのバックアップ作業を省くことができます。
クラウド連携
最新のNASには、クラウドとの連携機能も搭載されています。例えば、NASに保存したデータを自動的にクラウドストレージにバックアップすることができます。この機能を利用することで、データの冗長性を高めることができます。また、クラウドストレージの容量を利用することで、NASの容量を効率的に管理することも可能です。
リモートアクセス
NASを活用する大きなメリットの一つは、リモートアクセスができることです。つまり、社内にいる必要がなく、遠隔地からでもNASにアクセスしてファイルの共有や編集ができるのです。これにより、テレワークや出張先での仕事もスムーズに行うことができます。
セキュリティ強化
NASにはデータのセキュリティを強化するための機能も備わっています。例えば、アクセス制限や暗号化機能を使用することで、不正アクセスやデータの漏洩を防ぐことができます。また、定期的なセキュリティパッチの適用やウイルス対策ソフトウェアの導入も重要です。
アプリの活用
NASにはさまざまなアプリケーションが用意されています。これらのアプリを活用することで、業務の効率化やコラボレーションの促進に役立ちます。例えば、共有フォルダの作成やファイルのバージョン管理、タスク管理などが行えるアプリもあります。
ビジネスシーンでNASを活用するためには、まず最新のNAS機器を導入することが重要です。そして、上記のような機能や設定を適切に活用することで、業務の効率化やセキュリティの向上を図ることができます。
5. テレワークとBCP対策
テレワークは新型コロナウィルス対策や感染症対策の一環として注目されています。なぜなら、自宅でも事業を行えるためです。この点から、テレワークはBCP対策（事業継続計画）の一つとしても重要視されています。
BCP（事業継続計画）とは
BCP（Business Continuity Plan）は、企業が緊急時においても重要な業務を継続するための計画書です。テロや災害、システム障害などの緊急時においても事業を継続するためには、BCPは欠かせません。
テレワークにおけるBCP対策の重要性
テレワークは自宅などの場所でも事業を行えるため、BCP対策としても有効です。以下では、テレワークにおけるBCP対策の重要性について見ていきましょう。
1. 耐久性の高いHDDの採用
テレワークではNAS（Network Attached Storage）が使用されます。24時間稼働するためには、耐久性の高いHDDの採用が重要です。例えば、QNAP社製NASでは、WD（Western Digital）社が開発した耐久性のあるHDDを採用しており、連続稼働の負荷にも耐えられる性能を備えています。
2. データ復旧保証
テレワークでは機器の故障のリスクも考慮しなければなりません。QNAP社製のGUARDIAN+Rバックアップシステムでは、万が一の際にもデータ復旧を無料で受けることができる「データ復旧保証」が提供されています。故障に備えて、安心してテレワークを行うことができます。
3. 遠隔バックアップ
QNAP社製の高耐久NASでは、大阪から東京などの遠隔地へのバックアップが可能です。万が一の自然災害などが発生しても、別の場所にバックアップされたデータを利用することで、業務を迅速に再開することができます。
4. クラウドとの連携
QNAP社製のNASはクラウドサーバーとの連携もできます。クラウドにもデータをバックアップすることで、より安全にデータを保存できます。
テレワークにおけるBCP対策には、機器の耐久性やデータのバックアップ体制などが重要です。自宅でも事業を継続するためには、これらの対策をしっかりと整える必要があります。
まとめ
テーマであるSynology NASの活用法について、様々な情報や使い方を詳しく説明しました。Synology NASは、便利な機能やアプリが豊富に備わっており、写真やファイルの管理・共有にも大変便利です。また、リモートアクセスやセキュリティ強化、テレワークやBCP対策など、ビジネスシーンでの活用も可能です。
Synology NASを活用することで、データのバックアップやクラウド連携、リモートアクセスといった便利な機能を利用することができます。さらに、耐久性の高いHDDやデータ復旧保証、遠隔バックアップ、クラウドとの連携などのBCP対策も可能です。これらの機能や対策を適切に活用することで、より効率的な業務運営やセキュリティの向上が図れます。
Synology NASは、その豊富な機能と使いやすさから、多くのユーザーに支持されています。自宅やオフィスでのデータ管理や共有をスムーズに行いたい方、テレワークやBCP対策を検討している企業などにとって、Synology NASは非常に有用なツールとなるでしょう。
Synology NASの活用法をしっかり理解し、自分のニーズに合わせて活用することで、より効率的な業務運営やセキュリティの向上を実現しましょう。Synology NASは、情報の整理・共有をスムーズに行うための強力なツールです。ぜひ積極的に活用して、業務の効率化を図りましょう。
よくある質問
Q1: Synology NASにはどのようなアプリがありますか？
A1: Synology NASにはさまざまなアプリがあります。主なものには、写真管理アプリの「Photo Station」や「DS Photo」、ファイル管理アプリの「DS File」、NASの状況確認アプリの「DS Finder」などがあります。
Q2: テレワークにおいてNASを活用するメリットは何ですか？
A2: テレワークにおいてNASを活用すると、自宅などの場所でもファイルの共有や編集ができるため、業務の効率化が図れます。また、データのバックアップやセキュリティ強化も行えるため、安心して作業を行うことができます。
Q3: NASのバックアップはどのように行えますか？
A3: NASのバックアップは、NASに搭載されているバックアップ機能を使用することで簡単に行えます。また、クラウド連携機能を活用することで、データの冗長性を高めることもできます。
Q4: テレワークにおけるBCP対策とは何ですか？
A4: テレワークにおけるBCP（事業継続計画）対策とは、緊急時においても業務を継続するための計画のことです。例えば、耐久性の高いHDDの採用やデータの遠隔バックアップなど、テレワークにおけるリスクに対応する対策が含まれます。