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CLOUD INFRASTRUCTURE / 2026.10
速いローカルSSDと、失わない設計を両立する
Z4Dは大容量のTitanium SSDを持つストレージ最適化マシン。採用の鍵は最大容量よりも、データの置き場所と停止・復旧時の設計です。
3行で要約
- Google Cloudは2026年9月28日、Compute Engineのストレージ最適化シリーズZ4DのVMとベアメタルを一般提供したと発表しました。[^release]
- Z4Dは第5世代AMD EPYCとTitaniumを用い、最大84,000 GiBのローカルTitanium SSDを提供します。GoogleはZ3比で対象ワークロードの性能が最大40%向上すると主張しますが、独立した一律の保証値ではありません。[release][spec]
- 42,000 GiBを超えるTitanium SSDを接続したZ4Dではホストメンテナンス時のライブマイグレーションが非対応です。大容量を選ぶほど停止・再起動とデータ保護の設計が重要になります。[^spec]
背景:I/O集約ワークロードの容量と性能
検索、SQL/NoSQL、ベクトルデータベース、分析、並列ファイルシステムは、大きなデータを低遅延で読み書きします。従来のZ3もローカルSSD中心のストレージ最適化シリーズでしたが、Z4DはAMD EPYC Turin、DDR5、GoogleのTitaniumオフロードを採用し、最大容量をZ3の72,000 GiBから84,000 GiBへ広げました。これはGoogleの製品仕様の比較であり、用途ごとの性能差は実測が必要です。[release][spec]
Titanium SSDはホストに近い一時ブロックストレージで、Hyperdiskのような永続ブロックストレージとは役割が違います。大容量を「永続ストレージの代わり」と考えるのは危険です。[^disk]
今回、何が新しいのか
最大84,000 GiB1インスタンスに搭載できるローカルTitanium SSDの上限。機種によって容量は異なります。
VMとベアメタル両形態を一般提供。用途に合わせて仮想化の有無を選べます。
Hyperdisk併用高速な一時領域と、永続データ用のブロックストレージを役割分担できます。
Google Cloudの発表には、対象ワークロードでZ3比最大40%性能向上という数値があります。ただし「最大」はGoogle側の試験・構成に基づく主張です。データサイズ、読み書き比率、CPU/ネットワーク負荷が違えば結果も変わるため、調達判断は同一データセットと同一SLOで比較してください。[^release]
技術的なポイント:容量で変わるメンテナンス動作
Google Cloud公式文書に基づくZ4Dの運用上の違い| 構成 | ホストメンテナンス時 | 設計で確認すること |
|---|
| Titanium SSDが42,000 GiB以下の対応VM | ライブマイグレーションをサポート | 対象機種・設定、遅延への影響 |
| Titanium SSDが42,000 GiB超 | ライブマイグレーション非対応。インスタンスは終了し、データは保持されると文書に記載 | 停止許容時間、再起動、アプリ復旧 |
| 通常の永続データ | ローカルSSDの保持条件に依存させない | Hyperdiskや別の耐久性のある保存先、バックアップ |
ここでの「メンテナンス時にデータ保持」はそのイベントに関する製品仕様です。障害や削除を含むあらゆる事象でローカルSSDのデータが守られる、という意味ではありません。Google CloudのローカルSSD文書は、ホスト障害ではデータを復旧できない場合があり、インスタンス削除前には重要データを別の永続ディスクや別インスタンスへ移すよう警告しています。[spec][local]
Z4Dにはstandardlssdとhighlssdのサブタイプがあります。後者はvCPUあたりのSSD容量を厚く取る構成です。最大構成だけで選ばず、アプリのボトルネックがCPU、SSD容量、IOPS、ネットワークのどれかを測るべきです。[^spec]
開発者・企業への影響
Z4Dはインデックス、キャッシュ、再構築可能な検索データ、分散DBのローカルレプリカなどに魅力があります。一方、単独のローカルSSDにしか存在しないデータを置く設計は、障害時の復旧要件と衝突します。これはストレージの性質からの編集上の推論です。データベースで使う場合はレプリケーション、スナップショット、書き込み耐久性の境界をアプリ側の方式に合わせて設計してください。[local][disk]
Google CloudはZ4Dが選択されたリージョンとゾーンで提供され、GPU、単一テナント、サスペンド、カスタムマシンタイプなどに制約があると記載しています。既存VMからの単純な型変更を前提にせず、リージョン、クォータ、機能差を確認する必要があります。[^spec]
実践例:検索基盤を移す前の4段階
1 / 測るZ3・現行VMのp95遅延、I/O、CPU、容量を記録
2 / 配置再構築可能な索引をローカル、原本を永続側へ
3 / 壊すノード停止・再起動・レプリカ欠損を試す
4 / 比べる同条件で性能、復旧時間、総費用を比較
- 対象ゾーンで利用できるZ4Dの機種、SSD容量、Hyperdisk対応、必要クォータを公式仕様で確認します。[^spec]
- 検索インデックスの原本や更新ログを耐久性のある保存先へ置き、ローカルTitanium SSDは高速な処理面に使います。冗長化方式は使用する検索エンジンの仕様に合わせます。
- 42,000 GiBを超える構成を試すなら、ライブマイグレーションがないメンテナンス経路を含め、再起動後の回復時間を測ります。[^spec]
- Z3とZ4Dで同じデータセット・負荷を流し、p95/p99遅延、処理量、インスタンス・SSD・ネットワーク・永続ディスクの費用を比較します。Googleはディスクとネットワークを別料金と説明しています。[^spec]
リスクと限界
最重要:84,000 GiBは高速なローカル容量であり、単独で高可用なデータ保管庫を意味しません。メンテナンス時の保持条件と、障害時・削除時の喪失リスクを分けて考えてください。[^spec][^local]
- 性能値は提供元の主張。 「最大40%」は全用途・全構成の保証ではありません。[^release]
- 大容量時の停止。 42,000 GiB超ではホストメンテナンス時にライブマイグレーションが使えません。[^spec]
- 機能・地域制約。 GPUやサスペンドは非対応、提供ゾーンは限定されます。[^spec]
- 総費用。 マシンタイプだけでなく、Titanium SSD、Hyperdisk、ネットワーク、冗長化の費用を合わせて判断します。[^spec]
今後注目すべき点
提供リージョンの拡大、ベアメタルでの運用事例、実ワークロードでのZ3比較、42,000 GiB超構成のメンテナンス運用です。容量の大きさだけで選ばず、データの復元可能性と停止許容時間を先に決めることがZ4D導入の近道です。
最終確認日:2026年10月3日(日本時間)。 一般提供の発表日は2026年9月28日。仕様・性能主張はGoogle Cloudの一次資料、導入例は編集上の提案です。
参照元
[^release]: Google Cloud公式発表:Z4D VMとベアメタルが一般提供(2026年9月28日)
[^spec]: Google Cloud公式文書:ストレージ最適化マシンファミリー
[^local]: Google Cloud公式文書:Local SSDのデータ保持条件
[^disk]: Google Cloud公式文書:ディスク種類の選び方